公開日:2001-01-01
更新日:2012-12-14
さて、まずは1hがいくらぐらいになるのかを考える必要があるが、そうは言っても、中世イヴァリースにおける兵士の平均身長のデータなどあるわけもない。例によって例のごとく、中世ヨーロッパのデータから推測することにする。
色々調べてみたが、どうやら中世から近代のヨーロッパ人の平均身長は145-150cmぐらいであったらしい(資料不足なので断言は出来ませんが)ので、取り敢えず3h≒150とすれば、1hは約50cm(0.5m)ぐらいということになる。
まず、先の2004年颱風23号で室戸岬にて観測された高波が17.79mなので、ハイトに換算すると35.58h。なんとゼイレキレの滝を遡れるではないか。そんなものが毎年日本に接近して上陸しているとすれば、日本という国はある意味イヴァリース以上に凄い国なのかも知れない。
では、観測史上最高の津波であればどうか。調べてみると、どうやら1958年のアラスカにて地震による岩盤崩落で生じた生じた津波が、リツヤ湾で実に520mという記録を打ち立てたらしい。ハイトに直せば1020h。リバイアサンのあのタイダルウェイブは実在したのだ!
少し単位が大きくなりすぎたので、視野を戻してみまよう。例えば、何となく印象深いゴルゴラルダ処刑場の処刑台の高さは(13-3)h×0.5m=5mとなる。また、オーボンヌ修道院地下書庫二階の中階段の高低差は(12-6)h×0.5m=3m。あまり頻繁に上り下りはしたくないものである。……そういえば、確かあの階段は3パネルで6段になっている。一段50cmは妥当として、あの階段は大体傾斜角度が45度ぐらいなのだから、ということは、1パネルは約1mという仮説が成立するのではないだろうか。おお、と言うことは槍は前方2mまで突き刺せるということになるし、Speed10Move4の畏国人は1.5秒のうちに約4m走るということになる! Speed15Move5なら1秒に5mだ! おおおッ!! ハイトのことを考えていたら、なんとパネルの距離まで判ってしまったではないか。これは思わぬ収穫だ!
調子づいてきたので、このまま畏国民の身体能力といこう。例えば、イヴァリースの戦士の平均的なジャンプ力はJump3でありますから、これをメートルに置き換えれば1.5mということになる。勿論、これは立ち高飛びでの結果なので、走り高跳びや幅跳びの結果はもっとのびるはずだ。参考までに、男子陸上競技の走り高跳び世界記録は2.45m(=4.5h)となっている[1]
しかも、平均的なジャンプ力(Jamp3)を持ったユニットが突き落とされても無傷で済む最高の高さは3hなので1.5m。所謂現場仕事における「高所作業」の定義は一般的に2m以上だが、1mほどの高さでも打ち所が悪ければ死亡した事例はある。
普通良くて腰の骨を折るか、当たり所が悪ければ死ぬ高さである。地面は岩とか屋根(石製)とかそんなんばっかだし。というか、同じ論理で考えれば、平均的なジャンプ力(Jamp3)を持ったユニットが突き落とされたら確実に死亡する最低の高さは11hで22mと言うことに……。装備を含めた総体重を70kgとすると着地速度は秒速21m=時速75.6kmで総エネルギーは1.5万ジュール、落下衝撃は空気抵抗を無視し着地時間を0.02秒とした場合平均3.5t……丈夫どころじゃねえェ!?
[註.01] ちなみに、立ち高跳びは正式な記録がないらしい
こうして、また新たに畏国の恐るべき実態が明らかになった。普通の平民からしてこれである。そんなやつらをばったばったとなぎ倒すオルランドゥの化け物具合。そのオルランドゥをも瞬殺する赤チョコボの兇悪さ。そして何より、オーボンヌ修道院地下書庫にあった本のサイズも高さ1mなのだが、写真本でもないのにそんなものをつらつらと、書き損じをおそれず書き遂げた古代畏国人の汗と努力の結晶に、筆者は涙を禁じ得ない。